建設ディレクターとは、ITとコミュニケーションで現場とオフィスをつなぐ新しい職域です。現場技術者の負担を軽減し、作業の効率化と就労時間の短縮を図る効果的な取組として「働き方改革への取組」にも繋がります。
専門スキルを身に着け、工事施工に係るデータの整理及び処理、提出書類の作成管理やICT業務等を行います。現場とオフィスをつなぎ支援することで、技術者が品質管理や技術の継承などに集中する環境をつくります。建設ディレクターがデジタルとコミュニケーションを駆使とし活躍する姿は、建設業に関わりのなかった人々にも「デジタルスキルを活かせる」と魅力的にうつり、多様な人材の採用につながっています。「建設ディレクター」は、一般社団法人建設ディレクター協会の登録商標です。(登録番号:第5939693号、第6327912号)
建設ディレクター協会の目指す姿
建設ディレクターの導入を契機として、多様な人材の建設業界への参入が促進され、オフィスと現場間の円滑な連携が実現されます。この連携の定着は、組織の基盤強化を推進し、ひいては企業の持続的成長を支える要因となります。さらに、企業体力の安定は新たな雇用機会の創出を生み出し、地域創生および企業のさらなる発展へとつながる好循環を形成することを目指しています。
施工に沿って必要な工事書類の作成を行います。また最新技術やソフトウェアの利用方法を学び、現場で取り組む現場技術者のサポートをすることで、社内のDX推進と省人化への貢献を目指しています。
建設ディレクターの業務(一例)
工事書類一覧:建退協関係・施工体制台帳・安全書類・道路使用許可・産業廃棄物管理・コリンズ・打合せ簿ASP
出来形管理:工事写真・竣工書類・電子納品等
ICT業務:図面の修正・起工測量・測量補助・出来形確認の補助・完成写真の空撮・点群データ取得、処理・3Dモデル作成など
建設ディレクターは技術者とともに施工書類やデータの作成、ICT業務を担う存在です。多岐にわたる技術者の書類業務をワークシェアし、業務の効率化をはかり、個からチームで仕事をする仕組みづくりを進めます。
導入事例「導入2年目で残業ゼロ!」へ
建設業界に興味を持って、働きたいと考えている女性はたくさんいらっしゃいます。
そのため、建設ディレクター育成講座の参加者の約7割は女性です。女性が少ない建設業だからこそ、建設ディレクターは期待の職種として、新規雇用の創出のきっかけにもなっています。
建設ディレクターは丁寧に、早く書類を作成するために求められるITスキルを有する人材です。また、ドローン操作や三次元設計など個々の特性を生かすデジタル人材としての可能性も広がります。
導入事例「ICT導入でデジタル世代の雇用創出」へ
企業説明会に参加する学生に「建設ディレクターになりたい」という声が増えてきたという嬉しいお声を企業様からいただきます。建設ディレクター育成講座受講生も20、30代が65%を占めるなど、若手が減少する建設業界において、建設ディレクターは新規雇用のきっかけにもなっています。
書類作成のプロフェッショナルとして経験を積む建設ディレクターをはじめ、ICT業務を得意とする建設ディレクター、施工管理に挑戦する建設ディレクターもいるなど、様々なキャリアパスが生まれています。
ライフイベントの変化にとらわれず、リモートワークで就業継続する建設ディレクターも誕生するなど、ICT活用により多様な働き方が実現しています。また、ダイバーシティが加速するなど、建設ディレクターがもたらす働き方の多様性の効果が生まれています。
30年以上にわたる建設企業のITと教育支援に関わった私たちは、全業務のうち60%を占める書類業務に追われて疲弊する技術者の姿を見た時、現場業務と書類業務を技術者一人が担わなければいけないとした結果が長時間労働の慢性化であり、技術者の成長を妨げている一因だと考えました。そこで、技術者を書類業務から開放するためには、書類業務を担う新しい職域(新たなポジション)を創出し、技術者の業務範囲の再設定が必要だと考えました。
その職域こそ、ITとコミュニケーションで現場とオフィスをつなぐ「建設ディレクター」です。
未来へ続く道を結び、建設業界の新たな可能性を紡いでいきたい─(一社)建設ディレクター協会のシンボルマーク「リボン」には「建設ディレクター」と「技術者」、「建設業」と「社会」、「今」と「未来」、それぞれをしなやかに、そして力強くつなぐ“架け橋”としての想いが込められています。