建設業の魅力と、
建設ディレクターの必要性

CASE of 宅島建設株式会社

建設業の魅力と、建設ディレクターの必要性

2011年、宅島寿孝氏が39歳のときに、宅島建設株式会社3代目代表取締役に就任。建設業界の高齢化が進む中、毎年新入社員2~3名を採用。平均年齢46歳と若く、さまざまな事に挑戦する社風があります。
そんな宅島建設株式会社は一昨年から、建設ディレクターを導入。現場技術者に、仕事の魅力と建設ディレクターの活躍ぶりを聞きました。

発注者・下請け・地域とのコミュニケーションが大切

宅島建設株式会社の現場技術者の山下薫さんは地元の農業高校農業土木学科を卒業。この春入社20年になる中堅です。現場技術者とは、工事現場の施工計画から工程・完成までを管理・監督する人のこと。工事の規模にもよりますが、現場ごとに設置義務があります。ポジションとしては国や県などの発注元と、工事を担当する下請けの間に立つ調整役。さらには地元住民の要望の聞き役も担います。そんな山下さんが仕事で一番大事にしているのは、コミュニケーションだそうです。

「工事に入るときも下請けに指示を押し付けるのではなく、相手の意見に耳を傾ける。お互いに気持ちよく仕事をするためのマナーと考えています」。
たとえば山の斜面の掘削なら、小さい重機2台が安全で効率的。でも下請けは大きい重機1台で安く請け負いたい。そこからが話し合いです。「安全第一」を考えて狭い箇所はNG、でも広い面に限るなら大きな重機でも可とするなど、小さなコミュニケーションを重ねながら折り合いをつけていきます。

すると下請けも「やらされる」のではなく「納得して働く」ので、仕事の熱量も品質にも反映されます。「先日終えた道路工事でも、発注元の国から〝ていねいな仕事でいいものができた〟と喜ばれ、下請けからは〝またぜひ山下さんと一緒にやりたい〟と言われて、間に立つ者としてうれしい限りです」。

公共工事では地元住民の声も大切にしなければなりません。山下さんが担当した道路工事では、元地主と前の建設会社にトラブルがあったと聞き、まずはその地主の方と向き合いました。よく聞くと、法律上の「できる」「できない」の境界が伝わっていないとわかり、状況を説明したところ、相手は納得してくれたそうです。その後、その人がまわりに「山下さんがいい道路を作ってくれた」と言っていると聞き、目頭が熱くなったという山下さん。「公共工事は地域の日常を支える仕事。人の役に立てるやりがいを感じます」

バスケットボールやバレーボールの公式規格に準じたアリーナを備える小浜体育館。

建設ディレクターが建設業界のイメージアップに

そんな山下さんのもとで建設ディレクターとして働くのが徳永あかりさん。地元の高校を卒業後、病院看護助手8年を経て2020年に転職。徳永さんの夫が同社の社員で、その上司から「やってみないか」と勧められたのがきっかけだそう。

建設業はまったくの素人。山下さんに施工体制台帳や施工計画書の作り方などイチから教わりました。最初のうちは作成した書類をチェックしてくれ、『100点』をもらえるのがうれしかったですね」。

いま徳永さんは山下さんの現場だけでなく、10件以上の工事に横断的に関わっています。道路工事や砂防ダム工事、漁礁(魚の住処づくり)、道路の橋脚などさまざまな現場の書類作成を担当。今後は測量など、人手の足りない現場でのサポートも期待されているそうです。

「この春から、さらに建設ディレクターとして社内の松尾さんを登用しました。建設業の仕事の効率化、イメージアップにも建設ディレクターは欠かせない存在です」。そう話すのは、常務取締役の竹野由一さん。就職セミナーなどで会う若い世代には「建設業の奥深さ」「しっかり休めて働きやすい」「技術の向上」「女性の活躍」という現場の話は響くものの、学校の進路指導部や親世代はまだまだネガティブなイメージを持っていると感じるそう。建設ディレクターを含め、建設業の魅力をどんどん発信したいと意気込みます。

「書類や管理業務に時間を取られていた分を、建設ディレクターの活躍により、現場のコミュニケーションやモノづくりの工夫に生かせるので助かっています。〝仕事をしてもらっている〟感謝の心も忘れないようにしたいですね」と山下さん。これからますます建設ディレクターの活躍が期待されます。

CASE DETAIL
企業名 宅島建設株式会社
WEBサイト http://takushima.co.jp/
概要 長崎県雲仙市、1951(昭和26)年創業。
長崎、島原、諫早などに4事業所をもち、ダムやマンション、道路などの施工を手掛ける総合建設会社。
社員約100名。
建設業5社を軸にグループを展開し、長崎でトップクラスの規模を誇る。
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