導入事例CASE
CASE of 道路建設株式会社(北海道)
他業界に比べると、改革遅れが指摘される建設業界。その中で新しいことをどんどん取り入れる注目企業を発見!
道路建設株式会社の「工事主任」と「建設ディレクター」に突撃取材し、パイオニアスピリットに迫りました。
北海道内の「道づくり」を専門とする道路建設株式会社。41歳の若き社長、宮﨑健悟氏のもと、フルスピードでIT戦略を進めています。
たとえば工事現場の3Dスキャナ計測、ドローンでの測量、VR(バーチャルリアリティー)による雪道の安全運転や作業の危険認知の可視化、AR(拡張現実技術)を用いた現場の安全管理、フルリモート会議、建設ディレクターの採用―。
IT化の目的は、「品質向上」と「働き方改革」です。具体的には「労働時間を削減し、ゆとりある働き方で質の高い仕事をする。何よりも皆がニコニコと働ける職場づくりを目指しているのです」。そう話すのは、工事部工事主任の戸城亮さん。
札幌にある本社ほか、苫小牧、網走、旭川、函館など道内に6事業所をもつ同社。一昨年までは会議をするのにも社員が半日がかりで本社に集合していましたが、その手間も時間もリモートが解決。また現場が手作業で行っていた膨大な書類作成も昨年から順次、建設ディレクターが代行しています。「現場技術者の負担が大きく削減されるので助かっています」。
道路建設株式会社で初の建設ディレクターに就任した戸口未菜美さん。最初に宮﨑社長から打診を受けたとき、「工事の書類係? 大変かなあ」と、ちょっぴり不安を感じたそう。実際は、戸城主任のフルサポートの伴走と、初仕事が施工後の書類で時間的な余裕があったことから、無理なく慣れることができたと言います。
「社長が、〝一歩ずつでいいよ。最初から成果を出さなくていいんだよ〟と私にも周りにも言ってくださったので、プレッシャーなくのびのびと挑戦することができました」。ちなみに「何度も同じことを尋ねても、その都度、「優しく教えてくれた」戸城主任は函館勤務。質疑は全てリモートでした。
戸城主任の実感は、「書類の出来上がりが細やかで読みやすい。 事務の専門家に任せて本当に良かった」。実は書類の出来映えは仕事を大きく左右します。官公庁が提出書類をもとにつけた「評価点数」が、会社の「持ち点」となり、その数値が次の工事依頼の判断材料になるからです。戸口さんはもともと営業事務に携わっていたため、この評価システムを認識していました。「点数アップにつながり、現場が気づいていない良い点も、きちんとアピールできる書類作成を目指しています」。
道路建設株式会社は、「社員の働きやすさ」でも一歩先を走っています。近年は女性だけでなく、男性が「育休」を取得しやすい環境づくりに取り組んでいます。また普段は忙しい現場技術者にも、自分が携わる工事のない時期は、「休暇を取りなさい」と社長自ら声をかけているそうです。現在、法律で定められている残業時間の上限は月80時間(複数月平均。休日出勤含む)。同社の場合はその半分の40時間にすぎず、融通のきく働き方を実現しています。
企業名 | 道路建設株式会社(北海道) |
---|---|
WEBサイト | https://www.douken.co.jp/ |